SNSが発達し、情報がどんどん共有される時代になりました。これまでは、お金をかけてブランディングをすれば企業のイメージを作ることができましたが、これからの時代はそうはいきません。外見だけを取り繕っても内面が伴っていなければ簡単に見透かされてしまいます。ありのままの姿を評価される時代が来たのです。
消費者の価値観にも変化が起きています。共感や社会とのつながり、倫理観などを大切にする人が増えてきました。人々の価値観は、モノやお金中心の資本主義から「共感資本主義」へと変化しているのです。「環境に優しい」「社会に貢献している」など、人々がその企業に対して感じているイメージ、目に見えない資本のことを「共感資本」と言います。
内閣府が行った世論調査の結果を見てみても、「日本の消費行動で社会が変わる」と思う人の割合は増加しています。自分の消費が、環境や社会に対してどのような影響を与えるのか?といったことまで考え、消費者は商品を選ぶ時代になったのです。会社の人間性が問われる時代になったとも言えるでしょう。いま、世の中の大きな流れは、地域貢献やCSRの流れ、そして、若い人は、お金よりも、つながりや幸福感を求めています。
思いに共感する企業の製品を購入し利用することで、消費者には「自分も社会に良い影響を与えている」「応援することができる」という感情が生まれ、また、その企業で働いている社員は「そこに所属している自分が誇らしい」という気持ちになります。私たちは今、思いと思いがつながりやすい時代に生きています。消費者や社員に共感され愛される企業になれるかが、これからの時代を生き抜くことができるかのカギとなるでしょう。
私たちは今、複雑な時代に生きています。問題が複雑化し、グローバル化により経済の流れが速くなった時代では、トップだけの判断ですべての問題に対応していくのには限界があります。一部の者が強烈なリーダーシップを発揮して多数の社員を決められた役割に当てはめていく機械的な組織のあり方を見直す時が来たのです。
これからの時代を生き抜いていくためには、メンバー全員の力を最大限発揮し、組織全体で方向性を決めていく必要があります。メンバーの一人一人が経営者の視点を持ち自律的に働くことが求められているのです。新しい価値を創造するためには自律性の高い社員が必要ですが、単に自律性の高い社員が集まっただけでは強い組織にはなりません。自律性の高い社員が共通の思いを持ち、思いのベクトルが重なって初めて、本当に強い組織になるのです。
社員一人ひとりの思いと会社の思いが重なっていること。自分の会社での仕事が自己の成長(自分の理想的な人生)にもつながっているという喜びや充実感を感じ、誇りをもって自律的に仕事に取り組んでいること。社員の成長と企業の成長が相互に促進し続けるという社員と会社の関係が実現できたとき、社員の一人ひとりは主人公として働くことができ、従業員満足は最も高まります。
共感資本経済の時代では、お金が儲かりそうなビジネスモデルから未来が生まれるのではなく、同じ未来を見ているもの同志のつながりからビジネスが生まれていきます。組織と社員の間に共通の思いがなければ、社員が自律的に働くことはできません。思いの共有無くして、社員の自律性は実現できないのです。
これからの時代は全員経営の時代です。社員の一人一人が経営者の視点をもち、問題意識をもって考え、悩み、実行し、新たな価値を生み出していくことが求められています。「言われたことをやる」社員の集まりから、「自分で考え、新しいものを生み出す」社員の集まりへ変わっていかなければならないのです。そして、それは、規則やルールをつくったからといってできることではなく、目に見えない職場の空気、社風をつくっていくことでしか実現することはできません。共創型の組織への組織変革には、かなりの労力と時間が必要となりますが、変革を実現した暁には、強力な競争優位が構築され、持続的成長の原動力となります。ESR組織開発では、価値観の共有を通して、社員が自律的に行動する組織を目指していきます。
竹村健一氏も出演した「ビジネスステーション」のゲストの生き様を紹介するコーナーに出演しました。 |
会社が得するESコーチング&ESマネジメント感動倍増組織のつくりかた |
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